岩波書店(東京都千代田区)とKADOKAWA(同)は10日、ノーベル化学賞に決まった吉野彰旭化成名誉フェロー(71)が科学への興味を持つきっかけになった本として挙げた英国の科学者ファラデーの著書「ロウソクの科学」の増刷を決めた。

両社には、受賞が決まった9日夜から全国の書店から問い合わせが相次いだ。岩波書店の岩波文庫版は累計70万部になった。KADOKAWAは角川文庫を2万部、児童向けの角川つばさ文庫を1万部それぞれ増刷する。

インターネット通販大手アマゾンの売れ筋ランキングで10日正午、1、2、3位を角川文庫と岩波文庫、角川つばさ文庫の「ロウソクの科学」が占めた。

2016年にノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大栄誉教授(74)も兄から贈られて同書を読み、科学に関心を持ったという。

吉野さんは9日の記者会見で小学生の時に科学を志すきっかけとして、担任教師から紹介された同書を読みふけったエピソードを披露。10日の共同通信の取材に対し「本が売れて、将来の研究者が生まれるといい」と述べた。(共同)