千葉県流山市のいじめ問題を調査する専門家会議で会長を務めていた藤川大祐・千葉大教授が21日、東京都内で記者会見し「子どもが深刻ないじめを訴えたのに、市教育委員会は3年以上本格的な調査をしていなかった」と明らかにした。

藤川教授によると、2014年、当時市立小6年だった子どもが、他の子どもから暴行されてけがをするなどしたという。1カ月以上学校を休んだが、教委はいじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と認定せず、事実関係を本格的に調べなかった。被害者側や専門家会議の申し入れを受け、教委は昨年になって重大事態と認めた。

この子どもは市立中に進学後、部活動で仲間はずれにされるなどしたといい、再び不登校になった。自殺未遂もあり、教委は17年3月、中学でのいじめを重大事態と認定。ただ、市条例が定める専門家会議への調査委託は同8月まで遅れた。

専門家会議は今年5月までに、学校や教委の対応に問題があり、被害が長期化、深刻化したなどとする中間報告をまとめたが、現在まで市教委は公表していない。

藤川教授によると、子どもは既に中学を卒業。後遺症があり、自宅で過ごす時間が長いという。今年5月に専門家会議から退いた藤川教授は会見で「教委は子どもに寄り添った対応をしていない」と批判。市教委指導課の担当者は「こちらで把握している情報と違う部分もあるが、教委の確認不足、勉強不足があったのは事実だ。指摘を真摯(しんし)に受け止めたい」と話した。(共同)