2017年に愛知県内で抵抗できない状態の実の娘(当時19)と性交したとして準強制性交罪に問われ、一審名古屋地裁岡崎支部で無罪判決を受けた父親の被告の控訴審初公判が28日、名古屋高裁(堀内満裁判長)で開かれ、検察側は事実誤認を主張した。

弁護側は控訴棄却を求めた。被告は出廷しなかった。

娘が当時、同罪が適用される、抵抗が著しく困難な「抗拒不能」の状態だったと言えるかどうかが争点。3月の一審判決を不服として、検察側が控訴していた。

検察側は控訴趣意書で、一審判決は抗拒不能の状態を「応じなければ生命・身体に重大な危害を加えられる恐れがある場合」などと限定的に捉えたと指摘。

社会常識に照らせば実子が父親と行為に及ぶことはあり得ず、被害者は認容する以外の行為が著しく困難な心理状態にあったと推認できるとしたほか、被告の継続的な性的虐待が、被害者から抵抗や拒絶の意思を奪う最大級の加害行為だったと主張した。

一審判決は娘が長年、性的虐待を受けており、性交は意に反するものだったと認定する一方、抵抗し拒めていた時期もあったなどとし、「抵抗不能な状態だったと認定することはできない」と結論付けた。

被告は17年8月に勤務先の会社で、9月にはホテルで抵抗できない状態に乗じ、娘と性交したとして起訴された。(共同)