衆院憲法審査会は7日午前、今国会で初めて実質的な議論を行った。与野党議員同士の討議は2年ぶり。与党筆頭幹事で自民党の新藤義孝氏は「施行時に想定されていなかった社会情勢の変化に対応する規定整備が必要だ」と強調し、憲法改正に向けて積極的に論議するよう主張した。立憲民主党などでつくる会派の階猛氏が、法改正で足りる場合もあるとして「真に憲法改正が必要な時に議論すべきだ」と述べるなど、野党には慎重論が目立った。論議に肯定的な意見もあった。

この日の開催を機に、憲法審での改憲論議が安倍晋三首相の狙い通りに活性化するかどうかは未知数だ。

公明党の北側一雄氏は、大規模災害など緊急事態の際に国会議員の任期を延長できる規定について「憲法論議を進めるべき課題だ」と提起。立憲民主党の山尾志桜里氏は改憲手続きを定めた国民投票法の改正案を念頭に「手続きの議論が終わらない限り、憲法の中身に一切入れないのもおかしい。話せば意外な共通点も出てくる」と述べた。

憲法審は与野党の議員団が9月に欧州4カ国を訪問した成果報告をテーマに実施。団長で前憲法審会長の森英介氏(自民党)は、憲法に当たる「基本法」を今年も含めて戦後63回改正したドイツに関し「与野党が基本法改正のために大胆な妥協をいとわない政治文化がある」と紹介した。議員団はドイツ、ウクライナ、リトアニア、エストニアを訪問した。

与党は国民投票法改正案を今国会で成立させるため、憲法審での質疑、採決を急ぎたい考え。新藤氏は審査会に先立つ幹事会で14日の採決を提案したが、野党側は持ち帰った。改正案の審議日程は窮屈になっている。

首相は2017年5月に「20年の改正憲法施行」を目標として唱えたが、国会論議の足踏みなどから困難視されている。(共同)