若手音楽家の登竜門、ジュネーブ国際音楽コンクールの作曲部門の決勝が8日、スイス西部ジュネーブで開かれ、大阪音大助手の高木日向子さん(30=兵庫県尼崎市)がコロンビアのダニエル・アランゴプラダさん(32)と共に優勝した。

日本人の優勝は4年ぶり2回目。高木さんは発表の瞬間、手で口を押さえて驚いた表情に。表彰式を終え「まさかとびっくりしたが、光栄なこと」と喜びをかみしめた。演奏者にも「120%表現してもらえた」と感謝を示した。

高木さんの曲は、今回のコンクールの課題となったオーボエが主役の合奏曲で、フランス語で「瞬間」を意味する「L’instant(ランスタン)」。決勝では17人の演奏家が、高木さんが見守る中、約15分の曲を披露した。

「音が減衰と上昇を繰り返す、その境目の瞬間を切り取りたい」という思いを、高木さんが込めて作った曲。画家、高島野十郎が描いたろうそくの絵にも触発されたといい、ゆらめく炎のようなゆったりとしたテンポの中に、時折激しさが交じる。「楽器の中でも繊細な音」というオーボエを引き立たせるため、特殊な技巧は用いなかったという。

高木さんは兵庫県立西宮高音楽科を経て、大阪音大の大学院作曲研究室修了。2017年の日本音楽コンクールの作曲部門で第3位に入賞するなどしている。

ジュネーブ国際音楽コンクールは1939年に創設された。作曲部門では、2015年に薮田翔一さんが日本人として初優勝。今年は打楽器部門も行われ、21日に決勝を迎える。(共同)