日本3名園の一つ偕楽園(水戸市)のシンボルだったヤマザクラ「左近の桜」が9月に襲来した台風15号の強風で倒れ、腐朽菌に侵され再生不可能な状態に陥ったことが分かった。今は生きているが、いずれ枯死する見通し。京都御所にある著名な「左近の桜」の系統の苗木を宮内庁からもらったため、同じ名を付けた。県は新しい植樹を含め対応を検討中。県が9日、明らかにした。

県によると、偕楽園で倒れた桜は樹齢63年で、実は3代目。初代は江戸時代に仁孝天皇から京都御所にある左近の桜の苗木として下賜された。2代目は、経緯はよく分かっていないが水戸藩の藩校・弘道館(水戸市)に植えられていた。2代目の枯死を受け、1963年に3代目として苗木3本が宮内庁から贈られ、うち1本を偕楽園に植樹した。

台風15号の影響で水戸市に暴風警報が出ていた9月9日朝、倒れているのが見つかった。樹木医らの診断の結果、根元まで菌に侵され、回復できないとの判定だった。倒れた木は根だけ残して撤去し、そこに「跡地」と記した看板を立てた。

住民からは新しい桜を望む声がある一方で「周辺の眺望が悪くなる」と否定的意見もあるという。県都市整備課は「さまざまな意見があり、どう対応するか慎重に検討したい」としている。(共同)