ロンドン中心部のテムズ川にかかるロンドン橋で起きた刃物を使った襲撃事件で、英当局は30日、現場で射殺した容疑者の男は英中部に住むウスマン・カーン容疑者(28)と明らかにした。英PA通信によると、ロンドン証券取引所を標的とした爆弾テロを計画した罪などで、2012年に禁錮刑を言い渡されていた。

警察当局はテロとして捜査中としている。当局は、切り付けられるなどした2人が死亡、3人が負傷したと発表した。

英紙タイムズなどは30日、容疑者は約1年前に保釈されていたと伝えた。負傷者の容体は不明。

ジョンソン首相は「英国はこうした攻撃に決してひるまない」とメディアに語り、事件を非難。緊急閣僚会合で対応を協議した。

英メディアによると、容疑者は橋の近くの建物で開かれていたイベントで参加者を切り付け、橋へ移動。橋の上は逃げ惑う人々で一時騒然となった。

容疑者は爆発物のようなものを身に着けていたが、偽物だったという。タイムズ紙によると、容疑者は居場所を追跡できる電子タグの装着を条件に保釈されていた。

ロンドン橋はロンドンの名所で、日本人も多数訪れる。警察当局によると、29日午後2時(日本時間同11時)ごろ通報があり、約5分後に現場に到着した警察官が容疑者を射殺した。

事件は約2週間後に投開票の総選挙に向けた選挙運動期間中に発生。与野党は29日の選挙運動自粛を相次いで発表した。

ロンドン警視庁のテロ対策部門トップのバス警視監は、市民らの安全確保が最優先事項だと指摘、ロンドン市内の「巡視を強化する」と話した。(共同)