内戦下のシリアで約3年4カ月拘束され、2018年10月に解放されたフリージャーナリストの安田純平さん(45)が、外務省から旅券(パスポート)の発給を拒否されたのは「外国への移動の自由を保障する憲法に違反する」として、国に発給拒否処分の取り消しと発給を求めて東京地裁に提訴したことが12日、分かった。

安田さんの代理人弁護士が明らかにした。提訴は9日付。

訴状などによると、安田さんはシリアでの拘束中にパスポートを奪われ、帰国後の19年1月に再発行を申請。外務省から求められた渡航計画では、家族旅行でインドや欧州に行きたい考えを伝えていた。

これに対し、外務省は同年7月10日付で、解放時にトルコから5年間の入国禁止措置を受けたことなどを理由に「入国が認められないため、発給制限の対象となる」と通知したという。

訴状で安田さん側は「トルコから入国禁止措置を受けた事実はない」と反論。旅券の発給拒否は「個人の海外への移動や旅行の自由を制限するものだ。精神的自由を最大限に尊重する憲法に違反する」としている。

安田さんは信濃毎日新聞の記者を経てフリーランスとして継続的に紛争地を取材。15年6月、過激派組織「イスラム国」の実態を取材しようとトルコからシリアに入り、武装勢力に拘束された。(共同)