中国湖北省武漢市の衛生当局は21日未明、新型コロナウイルスによる肺炎で男性(89)が19日に死亡していたと発表した。死者は4人目。中国国営メディアによると中国政府は20日、新型肺炎が医療従事者14人にも感染したと明らかにした。人から人に感染するため、帰省や旅行で人の往来が増える春節(旧正月)の連休(24~30日)に、さらに発症者が増えるとの見通しも示した。

世界保健機関(WHO)は20日、専門家による緊急委員会を22日に、本部のあるスイスのジュネーブで開催すると発表した。新型肺炎が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当するか否かの判断や、感染拡大防止に向けた方策を協議する。緊急事態宣言が出されれば、昨年7月のコンゴ(旧ザイール)でのエボラ出血熱以来となる。

新型肺炎を調査する中国政府の専門家グループでトップを務める鍾南山氏によると、患者の看護などに当たった医療従事者14人に感染した。また武漢で人から人への感染が認められただけでなく、広東省の2人も、武漢帰りで発病した家族から感染した。

鍾氏は春節連休で「発症者はさらに増えるだろう」と予測。「熱が出た人は武漢を出ないほうがいい」と指摘し、「スーパースプレッダー(強い感染力を持つ患者)の出現を防がなければならない」と危機感を示した。

中国国内で確認された発症者は21日に上海で1人増え、武漢、北京、上海の各市と広東省の計219人となった。このうち武漢の4人は死亡した。日本やタイ、韓国でも発症者が確認されている。(共同)