中国からの観光客が急増する春節(旧正月)の大型連休が始まった24日、都内で新型コロナウイルスによる肺炎患者が確認された。

発生源となった湖北省武漢市の40代男性で、日本での確認は神奈川県在住の中国人男性に続き2例目。訪日客を受け入れる空港、店舗、観光地や、マスクのメーカーなどは感染予防対策や需要対応に追われている。外務省も、湖北省に対する感染症危険情報をレベル3に引き上げ渡航中止を勧告するなど、緊張が高まった。

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厚労省によると、感染が確認された男性は現在、都内で入院し、容体は安定している。14日に発熱し、19日に来日。入国時、空港で体温が高い人を見つける検査には引っかからなかったとみられる。20日に都内の医療機関に行ったが、肺炎とは診断されなかった。

発熱や喉の痛みが続いたため、22日に改めて受診して肺炎と診断され、別の都内の医療機関に入院した。厚労省は、家族2人と、接触した医療関係者約20人の状態を観察している。男性はほぼ宿泊先に滞在。中国では患者との明確な接触はなく、発生地とみられる武漢市の海鮮市場には立ち寄っていないという。

外務省は24日、武漢市を含む湖北省に対して渡航中止を勧告した。感染症危険情報に4段階を導入した15年以降、2番目に高いレベル3を出すのは初めてだ。

春節本番を迎え、国内でも新型肺炎の影響が本格化した。空港の検疫検査場や航空各社は、中国各地からの乗客全員に体調チェックを呼びかける「健康カード」を配布。航空各社は、同路線で機内での注意喚起アナウンス実施、客室乗務員のマスク着用を義務化するなどした。北京発成田行きの機内では、大半の乗客が食事以外ではマスクを外さなかった。

大阪府は対策本部を設置。吉村洋文知事は、ツイッターなどでのデマに対し正しい情報提供も指示した。東武、大丸、松坂屋の各百貨店は、従業員にマスク着用を許可した。マスクについては中国人観光客による爆買いもみられ、一部で品切れも出た。都心のコンビニは「マスクは入荷してもすぐ売り切れる」、大手ドラッグストアは「22日からマスクの売り上げがいつもの2倍になった。日本のお客さんも買い始めているもよう」と話した。マスク最大手ユニ・チャームは、複数の国内工場を17日から3交代の24時間体制にして増産している。注文は通常の数倍になっているという。

また中国との各種交流も、延期や中止が相次いでいる。鳥取県米子市では3月に高校生ら7人が河北省を訪問予定だったが、中国側の提案で延期になった。大分市は来月8日の武漢市との交流イベントを延期。長野県伊那市は重慶市の中学生との交流事業を中止。大阪府高槻市の小学校でも、中国の小学生との交流事業が中止になった。