「帰国できて、ほっとしている」。中国・武漢から帰国した第1陣の邦人206人のうち、男性2人が羽田空港で報道陣の取材に応じ、安堵(あんど)の表情を浮かべた。いずれもマスクを着用。現地やチャーター機内の様子を、疲れた表情を見せながらも冷静に語り、中国政府や現地になお残る帰国希望者約400人への支援を訴えた。

外務省によると、2人はいずれも日本企業の現地法人で勤務し、武漢の日本商工会で役員を務める青山健郎さんと加藤孝之さん。

武漢は列車や飛行機が停止するなど「封鎖」されている。加藤さんは「とにかく外出しないようにし、マスク(着用)と手洗いを徹底すれば大丈夫と信じていた」と振り返り、青山さんは「自由な経済活動が全くできない状況になった。われわれも出歩けなくなり、不安だった」と吐露した。

機中の様子について、青山さんは「どっと疲れた様子だった」と、加藤さんは「騒がしくなく、冷静に行動していた」と話した。

第1陣は感染源と疑われる海鮮市場の近くに住む人が対象。青山さんは、現地に残る邦人について「安全を確保していただきたい」と力を込め、日本国内での感染防止の徹底と中国への支援も呼び掛けた。

2人が勤務する企業の工場などは封鎖後も操業を続けている。青山さんは、中国人の同僚らから「自分たちで維持する」と力強い言葉を掛けてもらったと明かし、加藤さんも「本来は武漢に残って業務を見ないといけないが、みんな(同僚)を信じて戻ってきた」と語った。チャーター機を用意した日本政府に謝意を示す場面もあった。(共同)