東京のJR山手線に30番目の新駅「高輪ゲートウェイ」が14日未明、東京都港区の品川-田町間に開業し、初日から多くの利用客でにぎわった。

山手線の新駅は1971年4月の西日暮里以来で約半世紀ぶり。東海道新幹線が発着する品川駅の隣にあり、羽田空港への鉄道アクセスも便利な立地で首都の新たな玄関口となる期待を担う。

14日午前4時15分、正面入り口のシャッターが開くと、待ち構えた約350人からは拍手。山手線内回りの一番列車が午前4時35分、中村多香駅長の右腕を高く上げる合図で、数秒間警笛を鳴らして出発すると「おめでとう」という祝福の声がホームに響いた。

13日午前7時から並んだという兵庫県尼崎市の男性会社員(59)は「話題の多い駅を自分の目で見たかった。まさか一番先頭とは」とうれしそう。隣の田町駅から山手線で来た港区の小3秋山獅堂君(9)は「昨夜は眠れなかった。天井が高く、設備もきれい」と熱心に動画を撮影していた。

開業当日の切符を入手しようと、売り場には待ち時間が2時間以上の行列。中村駅長は「1歩先を行くサービスを考え、愛される駅づくりをしたい。すてきな駅なので何度も来てほしい」と抱負を語った。

JR東日本は「未来を体感してもらう駅」との触れ込みで、最新設備を投入する。案内、警備、清掃に当たる人工知能(AI)を活用したロボットが順次登場。QRコードで通過できる次世代自動改札機も試験する。無人決済店舗も23日に開店。今回は東京五輪・パラリンピックを控えた暫定開業とし、2024年に高層ビル群とともに本格開業する。

駅名は一般公募を経て、付近にあった江戸の玄関口「高輪大木戸」にちなみ、世界との窓口になる思いを込めた。駅舎は国立競技場を手掛けた建築家隈研吾氏がデザインし、折り紙がモチーフの白い大屋根が特徴。東日本大震災被災地を支援しようと岩手、宮城、福島各県産のスギを大屋根のはりやデッキに使った。

新駅には京浜東北線も停車。開業当初は1日当たり約2万3000人の利用を見込む。五輪・パラリンピック期間中は駅前広場でパブリックビューイングを開催。臨海部の会場に車いす客らを輸送するバスの発着場を設ける。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け14日のセレモニーは取りやめた。(共同)