検察庁法改正案は、今国会の成立を見送らざるを得なくなった。市民だけでなく、OBからの反発も食らい、法務・検察内では「公平さに疑念を招いた」と悔いる声が聞かれた一方、「政権批判に利用された」と迷惑がる意見も出た。

「検察は公平に捜査しているという国民からの信頼が必要。疑いを持たせてしまった以上、仕方なかったのだろう」。ある検察幹部はこう分析。「次に審議しても結局同じようなことが起き、出口は見えないままだ」と懸念も示した。

別の幹部は「65歳まで働きたいという検事はほとんどおらず、不要不急の法案だった」と厳しい。「身内」の検察OBから反対の意見書が出た事態に至ったことは「恥ずかしい」と語った。

一方、ある法務省幹部は、インターネット上で反対運動が強まったことに「新型コロナウイルスの影響で仕事や生活が不安定な中、怒りが向けられた面もあったのでは」と複雑な表情。定年延長された黒川弘務東京高検検事長を「有能なのに、疑惑のイメージで黒く塗られたままなのが残念だ」とおもんぱかった。

別の幹部は「法案は血眼になってまで批判する内容ではない。黒川氏の人事と一緒にされ、必要以上に標的にされた」とこぼした。「検察が、政権批判のために利用されてしまったようで後味が悪い」と言葉少なだった。     (共同)