トランプ米大統領は18日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として自らが推奨する抗マラリア薬を毎日服用していると明らかにした。「予防のためだ。失うものはない」と語った。効果や安全性を疑問視する研究結果もあり、専門家らは「医学的根拠がなく無責任」と批判。健康への影響を懸念する声も出ている。

抗マラリア薬はヒドロキシクロロキン。トランプ氏はホワイトハウスで記者団との質疑中「私も1週間半前から服用している」と唐突に表明した。多くの医師らも予防のために使っていると主張し、患者への投与でも「前向きな話を聞いている」と発言。自らホワイトハウスの医師に服用してもよいか尋ねて許可を得たとしている。

トランプ氏は「国民に安心してもらいたい」とも説明。11月の大統領選に向け早期の経済活動再開を促すため、治療薬として有望だと自ら宣伝する狙いもありそうだ。

しかし、同薬は新型コロナ感染症への有効性は確認されておらず、不整脈を起こす恐れも指摘される。ニューヨーク・タイムズ紙によると、医師らからは不確かでリスクのある薬を「大統領職を利用して推奨している」と問題視する声が上がった。

ペロシ下院議長(野党民主党)もCNNテレビで「大統領なのだから、専門家が認めていないものを服用しないでほしい」と懸念を表明した。

同薬を巡っては、米食品医薬品局(FDA)が4月、新型コロナ感染者への投与で心臓に異常が起きる深刻な副作用が報告されていると注意喚起していた。(共同)