トランプ米政権は21日、軍事活動の透明性向上のため偵察機による領空での相互監視活動を規定するオープンスカイ(領空開放)条約からの脱退を22日に全加盟国に通告する方針を表明した。ロシアの条約違反が理由と主張している。ポンペオ国務長官が声明で発表した。6カ月後に脱退が有効となる。

昨年8月に失効した米ロ間の中距離核戦力(INF)廃棄条約に続く軍縮・軍備管理条約からの一方的な離脱で、米ロ間の緊張が一層高まる恐れがある。

タス通信によるとロシア外務省は21日、条約違反の指摘について「全く根拠がない」として反発した。

トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に「ロシアが条約を守っていない。相手が守らないなら、われわれも守らない」と主張。「ロシアが条約を順守するようになるまで、米国は離脱する」と強調し、ロシアの対応次第で復帰する可能性も示唆した。

一方、米ロ間に残された唯一の軍備管理・軍縮枠組みで、2021年2月に期限切れとなる新戦略兵器削減条約(新START)については、中国を含めた新たな枠組みについてロシアと交渉を続ける考えを改めて示した。

ポンペオ氏は声明で、核弾頭搭載可能なミサイルを配備する軍用施設があるロシア西端の欧州の飛び地カリーニングラード州などで飛行を制限されたと指摘した。

条約は1992年に北大西洋条約機構(NATO)と旧ワルシャワ条約機構の加盟国間で結ばれ、2002年に発効。米ロを含む34カ国が加盟している。(共同)