加藤勝信厚生労働相は22日の記者会見で、新型コロナウイルス関連の解雇や雇い止めが21日時点で1万835人に上ったと明らかにした。

政府が緊急事態宣言を発令した4月から急増し、5月だけで全体の7割近い7064人を占める。雇用情勢が急速に悪化している実態が浮き彫りになった。

厚労省は2月から、解雇や雇い止めについて見込み分も含めて都道府県労働局の報告を集計している。月ごとに見ると、2月が282人、3月が835人、4月が2654人。5月は20日時点で5798人だったが、21日には7064人となり、1000人以上増えた。

加藤氏は「日を追うごとに増加している」と懸念を示した。業績が悪化した企業が従業員を休ませた場合に支給する雇用調整助成金などを利用して、雇用維持に努めてほしいと強調。大規模な解雇や雇い止めの情報を把握した場合は、「ハローワークの職員が企業に出向き、雇用調整助成金の活用を働き掛ける」とした。

ただ、雇用調整助成金は、提出書類の多さが壁となり、申請を諦める事例も出ている。感染拡大による業績悪化に伴う支給決定件数は21日時点で1万7392件と、申請3万4609件の半分程度にとどまる。20日からは手続き簡素化の一環でオンライン申請を受け付ける予定だったが、システムの不具合で延期。再開のめどはたっていない。

厚労省は解雇や雇い止めの集計に関し、正社員と非正規労働者を区別していないが、加藤氏は「今後、正社員と非正規労働者の動向が分かるよう事務方に指示している」と語った。正社員と比べて非正規労働者は解雇されやすく、大量雇い止めなどへの懸念が広がっている。(共同)