日本政策投資銀行は、新型コロナウイルスの影響で中止・延期となった音楽やスポーツなどのイベントの経済損失額が、合計で3兆円余りに上るとの調査結果を29日までにまとめた。

今年3~5月の3カ月間で、仮にイベントが開催されていれば発生した観客の宿泊費や飲食代、会場の設営費や人件費などへの波及効果を試算した。

分野別では、自治体などが主催するイベントの中止・延期が1116件で、1兆7411億円と金額では最大の損失となった。京都三大祭りの一つ「葵祭」の行列や、福岡市の「博多どんたく港まつり」など人出が多い行事の中止で損失が膨らんだ。

また、音楽ライブや演劇などの中止・延期は最も件数が多く、1万2705件、損失額は9048億円に上った。プロ野球やサッカーJリーグなどのプロスポーツは1150件、2688億円とした。

都道府県別で県内総生産への影響を分析すると、奈良や鳥取、徳島が大きかった。

集計期間外となる夏場の花火大会の状況も調べ、損失額を2458億円と推計した。東京の「隅田川花火大会」や、大阪の「天神祭」に伴う奉納花火など、各地で中止決定が相次いでいる。

政投銀は今後の見通しについて「イベント再開後も観客を絞るといった対応やオンラインへの移行などが予想されるため、新型コロナ流行前のような経済効果は見込めないだろう」と指摘した。(共同)