東京都の小池百合子知事は29日、従来の「東京アラート」を改定して新型コロナウイルスの感染状況や医療態勢を伝える新しい指標の方向性を30日に公表する方針を明らかにした。関係者によると、新規感染者数などこれまでの指標を基本的に踏襲しながら、医療が十分提供できる状況かに軸足を置き、新たに救急搬送の関連項目を加えることも検討している。

都が従来、東京アラートの発令や休業要請の基準としてきたのは、直近7日間の平均で1日当たりの新規感染者数や感染経路不明の割合など七つの指標。関係者によると、新指標では休業要請などの目安となる数値は設けない見通し。

都内の感染者は5月25日の緊急事態宣言解除後の1カ月余りで約千人に上るが、重症化リスクが低いとされる若年層が目立ち、無症状のケースは入院せずにホテルなどで療養するケースも多い。今月29日現在の入院者数は千床の病床数に対して272人、重症者は100床に対して12人となっている。

関係者によると、こうした状況から、新指標では医療態勢の逼迫(ひっぱく)状況などを重視する方針。30日に最終案をまとめる。

小池氏は都庁で報道陣の取材に対し、新指標は専門家による感染状況や医療態勢の分析を受けて決定すると説明。感染者の増加については専門家から「検査態勢、医療態勢は整っているが、警戒すべきだ」との意見があったと明らかにした。

都は今月2日に東京アラートを出し、11日に解除した後で指標の見直しを表明。小池氏は今月26日の記者会見で、従来の指標を「自粛のためのものだった」と総括し、新型コロナの存在を前提に感染防止対策と経済の両立を図る指標を設ける方針を示していた。(共同)