米東部ニューヨーク州のクオモ知事は29日の記者会見で、国内各地で新型コロナウイルス感染が拡大している状況を踏まえ、国民のマスク着用を義務化する大統領令を出すようトランプ大統領に求めた。トランプ氏は事態の深刻さを理解せず、指導者としての責任を放棄して状況を悪化させていると強く批判した。

米国の感染者、死者数はともに世界最多。最大の感染地だったニューヨーク州の状況は落ち着いているが、南・西部州を中心に1日の新規感染者数が増加傾向で、懸念が強まっている。

トランプ氏は自身のマスク着用には消極姿勢のまま。マクナニー大統領報道官は29日の会見で、お互いに十分な距離が取れない場所でマスクを着用すべきかどうかについて問われ、米疾病対策センター(CDC)の指針はマスク着用を推奨しているものの義務付けてはいないと指摘した。

その上で「大統領は地元当局の指示とCDCの指針を守るように促している」とだけ述べ、着用すべきかどうかは明確に答えなかった。

クオモ氏は、感染者の急増を巡り「検査数が多いから感染者も多い」としたトランプ氏の発言について「事実ではない」と述べ、被害の矮小(わいしょう)化を図っていると非難。感染抑制のため国民のマスク着用を義務化し、トランプ氏自らも公の場でマスクを着けるべきだと訴えた。

ニューヨーク市の経済活動再開を巡っては、マッサージ店などの営業が可能となる規制緩和の第3段階に7月6日に入る見通しだと表明。一方、これまで第3段階で再開するとしてきたレストランの店内飲食は、感染リスクが高いため見送る可能性もあると明らかにした。(共同)