検察トップの稲田伸夫検事総長(63)が、7月中に退任する方針であることが30日、関係者への取材で分かった。後任は林真琴東京高検検事長(62)の見通し。

次期検事総長候補と目されていた黒川弘務前東京高検検事長(63)が5月に賭けマージャン問題で辞職し、法務・検察内では同期の林氏の次期検事総長就任が確実視されていた。

検察庁法の規定では、定年は検事総長が65歳、その他の検事が63歳。稲田氏は慣例で2年とされる任期を7月に迎えるところだった。林氏の定年は7月29日で、それまでに稲田氏は勇退するもようだ。

政府は今年1月、検察庁法の従来の解釈を変更し、翌2月だった黒川氏の定年を半年延長する異例の閣議決定をした。首相官邸に近いとされた黒川氏を次期検事総長に据えるためとの臆測を呼んだ。黒川氏は新聞記者らとの賭けマージャン疑惑を週刊文春に報じられ、訓告処分を受けて辞職した。

稲田氏は奈良県出身。東大卒で1981年に任官した。仙台高検検事長や東京高検検事長を経て2018年7月から現職。検事総長として、日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(66)を逮捕、起訴した特別背任事件や、前法相河井克行容疑者(57)夫妻を逮捕した昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件などを指揮した。

林氏は愛知県出身。東大卒で1983年に任官した。法務省刑事局長や名古屋高検検事長を経て、今年5月から現職。(共同)