東海道新幹線の新型車両「N700S」が1日デビューした。13年ぶりのフルモデルチェンジで、走行性能、客室の設備が従来型より向上。列島を駆け抜ける新たな移動空間を実現した。本年度中に12編成、2022年度末までに40編成が入る。東京-新大阪間に加え山陽新幹線にも乗り入れ、主力車両としての活躍に期待が集まる。

一番列車は東京発博多行き「のぞみ1号」。松木毅東京駅長の右手を挙げる出発合図で定刻の午前6時ちょうどに出発した。ホームであった式典で、JR東海の金子慎社長は「安全、安定、快適、環境の全てが最高の新幹線と自負している。多くのお客さまに旅行を楽しんでほしい」とあいさつした。1日は上下計4本が運行する。

東京駅でN700Sに乗り込んだ相模原市の会社員田中義紀さん(47)は13年前のN700系登場の際も一番列車に乗ったという。「どう進化したのか、乗り心地が楽しみ。岡山まで行って、四国でうどんを食べます」。横浜市の竹内みどりさん(29)は、ともに鉄道ファンの友人男性と一緒。「試運転で偶然見たロゴが格好良かった。新横浜まで短い時間でも楽しみたい」と話した。

名古屋駅には午前7時半すぎ、のぞみ1号が到着。東京駅から乗った会社員小高恵紀さん(31)は三重県桑名市への旅行。「コンセントがとても便利だった。座席も柔らかくて居心地が良かった」と満足そうだった。

N700Sの「S」は最高を意味する「Supreme」の頭文字。座席のリクライニング改善や、グリーン車や一部普通車に横揺れ軽減の「フルアクティブ制振制御装置」を搭載し、リラックスできる座り心地になった。全座席にコンセントを配備。忘れ物防止のため、荷物棚は停車前に光る。車内で死傷者が出た事件を踏まえ、客室の防犯カメラを増設した。

送電がなくてもリチウムイオン電池のバッテリーで自走可能。ブレーキ性能の向上で地震の揺れから止まるまでの距離も短縮した。台車には融雪ヒーターを設置した。(共同)