九州と本州を縦断するように停滞する梅雨前線の影響で大雨の範囲が拡大し、気象庁は8日、岐阜、長野両県の一部自治体に一時、大雨特別警報を発表した。岐阜県下呂市では飛騨川が氾濫。道路の寸断で孤立する地域があった。九州も河川の氾濫が相次いだ。九州は死者56人、心肺停止2人、少なくとも行方不明者13人に上った。

気象庁によると、西日本から東北は9日にかけて非常に激しい雨が降る恐れがあり、災害への厳重な警戒が必要だ。中本能久予報課長は8日午前の記者会見で「雨の中心は東海に移っているが、まとまった雨が降る地域は前線沿いで変わる可能性がある」と述べた。

政府は8日、今回の豪雨について激甚災害に指定する見通しになったと明らかにした。対象地域、公共土木や農業施設といった支援内容を詰め今週末にも公表する。

飛騨川が氾濫し、岐阜地方気象台と国土交通省は氾濫発生情報(大雨・洪水警戒レベルで最高のレベル5に相当)を発表した。下呂市によると、土砂崩れで道路が寸断され馬瀬地区(約400世帯)が一時、孤立した。

長野県によると、8日午前、松本市の国道158号のトンネル付近で土砂崩れが発生。上高地に宿泊していた観光客40~50人と従業員らが取り残された。

大分県では8日未明から日田市で筑後川、由布市で大分川が氾濫。家が流されたなどの通報が相次いだ。由布市では7日夜、車で外出した40代男性が行方不明になった。他に大分川の支流に4人乗りの車が流されたとの情報もある。竹田市では午前5時20分ごろ、住宅が土砂崩れに巻き込まれたが、住民2人は救出されて命に別条はない。

国交省によると、8日朝までに球磨川や筑後川など九州7県と愛媛県の計22河川が氾濫。各地で計112カ所の土砂崩れも確認した。橋の流失など交通インフラへの影響も出ている。

特別警報の発表は岐阜県が午前6時半、長野県が午前6時43分だった。気象庁は4日、熊本県と鹿児島県(奄美を除く)に特別警報を発表し、6日には福岡、佐賀、長崎3県にも出した(いずれも解除)。8日の24時間降水量は下呂市や日田市で400ミリを超えた。(共同)