福島県沿岸部で千年の歴史を誇り、国の重要無形民俗文化財となっている伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」が25日、開幕した。例年は甲冑(かっちゅう)姿の騎馬武者による競馬など戦国絵巻さながらの光景を見に多くの観客が訪れるが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため競馬を含む大部分の行事を中止とし、一部を無観客で27日まで実施。

相馬市の相馬中村神社で出陣式があり、かつて一帯を治めた相馬家の子孫相馬行胤氏(46)が訓示。「これまでも飢饉(ききん)や津波といった困難を乗り越えてきた。伝統の力を信じ、日常へ一日も早く回復することを願う」と声を張り上げた後、馬にまたがり二十数人の武者行列と境内を行進した。

野馬追は、相馬家の始祖といわれる平将門が野馬を放ち、配下の武士に武芸を磨かせたのが起源とされる。

例年は、約400騎の騎馬武者が街中を練り歩き、メイン会場となる南相馬市の雲雀ケ原祭場地で、上空に打ち上げられ落下する旗を騎馬武者が奪い合う神旗争奪戦などが見せ場。昨年は約3万3000人が来場したが、今年は神旗争奪戦も中止となった。

東日本大震災や東京電力福島第1原発事故が起きた2011年も規模が縮小された。(共同)