日本全国で新型コロナウイルス感染拡大が広がる中、国民の不安払拭(ふっしょく)に動こうとしない政府に業を煮やす形で、沖縄県など複数の自治体が7月31日、独自の緊急事態宣言発令に踏み切った。ほかの自治体でも、対策強化策を相次いで発表。東京や愛知など都市部を中心に感染拡大は続き、4日連続で国内最多の感染者数を更新した。政府に対応策を提言する専門家の分科会が開かれたが具体的な決定はなく、厳戒態勢の自治体とは、対照的な姿となった。

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沖縄県は31日、10~80代の男女計71人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。県の1日当たりの発表数は5日連続で最多を更新。県内の感染者は計395人。石垣市の接待を伴う飲食店に勤める女性6人の陽性を確認し、クラスター(感染者集団)が発生したとの認識を示した。

県内の感染拡大が止まらない現状を踏まえ、玉城デニー知事は会見し、県独自の緊急事態宣言の発令を発表した。8月1~15日の期間で、県外からの来訪を慎重に判断するよう求め、県民にも不要不急の外出自粛を要請した。

県が定める4段階の警戒レベルを、上から2番目の「感染流行期」に引き上げることも発表。那覇市内の飲食店に営業時間を午前5時~午後10時とするよう求め、医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島への移動も必要最小限とするよう訴えた。玉城氏は、国も緊急事態宣言を発令すべきとの考えを示し、来県予定の人に「今は沖縄らしさを満喫してもらえない。ゆっくり旅行を楽しめる機会を再検討してほしい」と求めた。

沖縄をめぐっては、政府肝いりの観光支援事業「Go To トラベル」が、「第2波」を呼び込むとの警戒が出ている。政府は当面現行の形で継続する方針だが、旅行が感染拡大を助長する恐れもある。