欧州に比べ、東アジアで新型コロナウイルスの感染者や死者が少ないのは、血圧の調整に関係する遺伝子のわずかな違いが原因の可能性があるとする研究結果を国立国際医療研究センターの山本直樹特任部長(ウイルス学)らのチームが1日までにまとめた。

これまでマスク着用などの生活習慣や医療提供体制の違い、免疫の関与などさまざまな説が出ていたが、新たな見解を示した。山本特任部長は遺伝子の違いを調べることで、「感染のしやすさや重症化のリスクを予測することができるのではないか」と考えている。

チームは、新型ウイルスが人の細胞に侵入する際に利用することで知られているタンパク質「ACE2」と同じグループに属し、血圧の調整に関与するタンパク質「ACE1」を作る遺伝子に着目。国内外のデータを集めて解析すると、ACE1遺伝子に特定の特徴がある人が多い東アジアの国は、この特徴がある人が少ない欧州や中東と比較して感染の報告数や100万人当たりの死者数が少ない傾向があった。

肺炎などの病態にどう関与するか、同センターゲノム医科学プロジェクトの溝上雅史プロジェクト長(ヒトゲノム学)は「患者の遺伝子などを調査したい」としている。(共同)