香港警察が国家安全維持法(国安法)違反の疑いで、米国籍を持つ香港出身の民主活動家、朱牧民(サミュエル・チュー)氏を指名手配したことが分かった。香港メディアが1日報じた。国安法は、容疑者の国籍や犯罪を行った場所を問わずに適用すると規定しており、この規定の初適用とみられる。米国籍者の指名手配はトランプ米政権の強い反発を招きそうだ。

香港メディアによると香港警察は、朱氏をはじめ海外に住む香港出身の民主活動家ら6人を国安法違反の疑いで指名手配した。2014年の香港大規模民主化デモ「雨傘運動」のリーダーの一人で、現在は英国在住の羅冠聡氏も含まれる。

報道によると、指名手配された6人は、国家分裂扇動罪や外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた罪が適用され、香港に戻れば逮捕されるという。

朱氏は米国在住25年。ツイッターに「指名手配されたことを報道で知った」と投稿した。自らは米国民であるとして、香港警察は自国の政府にロビー活動を行った米国民を標的にしていると指摘。「中国国民以外が標的になるのは私が初めてだろう。私が標的になるのなら、香港のために声を上げるいかなる国籍の人も標的になる」と批判した。

香港メディアによると、朱氏は昨年、香港での反政府抗議活動を受けて、ワシントンに民主派団体「香港民主委員会」を設立。米国の香港人権法や、中国当局者などへの制裁措置を定めた香港自治法の成立を推進してきた。(共同)