今年2月を最後に東京メトロ日比谷線から引退した2代目車両が、長野県北部を走る地方鉄道、長野電鉄にデビューした。独自の新車両製造にはコストがかかることから、同社が現在運行するのは、全て他社から譲渡を受けた中古車両。日比谷線の初代車両や小田急「ロマンスカー」、JR東日本の「成田エクスプレス」だった車両も長野では現役で、懐かしい電車が走る姿を見ようと、鉄道ファンも訪れる。

日比谷線の2代目だった車両は、側面のグレーのラインを残しつつ、前面に長野電鉄のイメージカラーの赤を加えた。もとの8両編成から、短い3両編成になり、「マッコウクジラ」の愛称を持つ日比谷線の初代車両と、駅で並ぶこともある。

長野電鉄は、今年で創立100周年。志賀高原のスキー客らでにぎわった1960年代には、年間の輸送人員が2千万人を超えた時もあったが、マイカーの普及とともに利用客は次第に減り、一部の路線は廃止に。現在は長野市と温泉地の湯田中を結ぶ長野線が残る。

自社向けの新造車両の製造は80年が最後で、2012年に最後のオリジナル特急車両が引退して以降は、全てが中古車両になった。

半世紀近く長野電鉄を撮影してきた長野市の小林光一さん(65)は「長電は首都圏を走った車両の博物館みたいだ。路線がなくなれば地域がしぼんでいってしまう。今ある車両を生かして多くのお客さんを集め、長野線自体も存続させてほしい」と話している。(共同)