昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)の罪に問われた参院議員河井案里被告(46)の公判が17日、東京地裁で開かれた。証人として出廷した下原康充・広島県議(69)は、案里議員から現金50万円を受領したと認め「票を取りまとめ、選挙の応援をしてほしいということだと思った。違法な金だと分かっていた」と述べた。

下原県議によると、案里議員は県議選投開票日の昨年4月7日午後、県議の選挙事務所を訪ね、かばんから白い封筒を取り出し「当選祝いだ」と話した。「当選祝いでもらう金ではない」と返そうとすると、案里議員は「では陣中見舞いで」「(闘病中の)奥さまのお見舞金で」と応じず、領収書も受け取ろうとしなかった。競合候補だった自民党の溝手顕正・元国家公安委員長の名前を挙げ「溝手さんは大丈夫なので、私を応援してください」とも依頼した。

下原県議は、現金を選挙費用と妻の病気の治療費に充てたと証言した。

元県議会議長の奥原信也県議(77)は16日の証人尋問で、現金計200万円を受け取ったと説明。下原県議と同様に「票を集めてほしいということだと思った」と現金の趣旨を述べた。

起訴状によると、案里議員は昨年3月下旬から6月中旬、夫で元法相の衆院議員克行被告(57)と共謀し、票の取りまとめ依頼などの目的で地元議員5人に現金計170万円を提供したとされる。

克行元法相は弁護人解任に伴い、公判が分離された。

最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)は、保釈請求が認められなかったことを不服として克行元法相が申し立てていた特別抗告を、15日付で棄却した。(共同)