カトリック仙台司教区(仙台市)の男性司祭から1977年に性的暴行を受け精神的苦痛を受けたとして、仙台市の看護師鈴木ハルミさん(67)が24日、司教区と司祭ら2人に慰謝料など計5100万円の損害賠償を求めて仙台地裁に提訴した。

原告側弁護士によると、鈴木さんは当時の夫によるドメスティックバイオレンス(DV)を相談していた司祭から、宮城県気仙沼市の教会で暴行された。心的外傷後ストレス障害(PTSD)やアルコール依存症などを発症し治療を続けている。

しばらくは「自分が教会を汚した」と悩み記憶を閉ざしたが、2015年に担当医からの指摘で、自分が被害者だと認識した。弁護士は同年を起算点とすると20年間の除斥期間は過ぎておらず、損害賠償請求権は存続していると主張している。

鈴木さんは16年にカトリック中央協議会(東京)に被害を申告。司祭は行為を否定したが、教会側の第三者委員会は同年10月にまとめた報告書で「客観的証拠はないが、行為があった可能性は高い」と指摘。一方で司祭が承諾を受けたと誤認した可能性を「否定できない」とした。

鈴木さんは、男性司教から報告書の概要を渡された際に「合意の上だったということだ」と伝えられ、ショックを受けたという。

仙台市で記者会見した鈴木さんは「尊厳を取り戻すために提訴した。私の姿を見て同様の被害を受けた人が立ち上がってほしい」と訴えた。

仙台司教区の小松史郎事務局長は「原告側の主張は把握している。訴状を見て対応したい」とコメントした。(共同)