NTTは29日までに、上場子会社のNTTドコモを完全子会社にする方向で最終調整に入った。株式公開買い付け(TOB)を実施し、一般株主が保有する3割強のドコモ株を取得する。近く発表する見通し。投資額は4兆円規模に上るとみられる。第5世代(5G)移動通信システム分野の開発競争や携帯電話料金引き下げといった経営課題に、グループ一体で効率的に対応する体制を整える狙いだ。

ドコモはTOB終了後、東京証券取引所第1部の上場が廃止となる。携帯料金引き下げは菅義偉首相が重要政策に掲げ、対応を迫られていた。収益を圧迫する要因となるが、非上場化によって値下げの判断がしやすくなりそうだ。

NTTは完全子会社化によってドコモの稼ぐ収益を全て取り込むことが可能になる。NTTは5G分野などで、NECと技術開発で資本業務提携すると6月に発表。競争力の高い製品を開発し、先行する海外勢に対抗していく考えを示していた。

ドコモも5G対応のスマートフォンを投入するなど、通信網の拡大と合わせて5Gの普及を加速させている。ソフトバンクやKDDI(au)との競争が激化する中、NTTグループ各社との連携を強化し、顧客囲い込みを図る。(共同)