全日本空輸(ANA)が全従業員1万5000人を対象に副業範囲を拡大する方針を固めたことが10日、分かった。労働組合に方針を示しており、実現すれば勤務時間外にパートやアルバイトなどで他社とも雇用契約を結べるようになる。新型コロナウイルスの影響で国際線を中心に大幅な減便が長期化しており、従業員の収入の減少に配慮する必要があると判断した。

2021年にも開始する方向で、その他のグループ企業でも検討する。全日空ではこれまで勤務時間外に家庭教師など個人事業主として副業を行うことは認めていたが、ほとんど浸透していなかった。

全日空は今冬のボーナスに相当する一時金の支給見送りを労働組合に提案。既に夏季一時金も半額削減しており、これも合わせると年収ベースで平均3割減となる見通しとなっている。冬の一時金ゼロは初めてで、給与減額は20年ぶりとなる。

全日空の国際線はコロナに伴う出入国制限などにより、大幅な需要減や運休が続いている。親会社のANAホールディングスの20年4~6月期連結決算は純損益が1088億円の赤字となり、03年度から開示している四半期ベースで最大の赤字幅に落ち込んだ。

このため人件費以外でもコスト削減を強化しており、保有機の早期退役なども盛り込んだ事業構造改革計画を10月中に発表する方針だ。(共同)