東日本大震災で津波被害に遭った福島県沿岸部で行方不明になったわが子を捜す父親2人と、その姿を追うフォトジャーナリストの岩波友紀さん(43)が10日、東京都新宿区でトークイベントを開いた。東京電力福島第1原発事故の影響で警察や自衛隊が満足に捜索できない中、自力で捜し続けた日々を振り返った。

長男と長女が犠牲になった同県南相馬市の上野敬幸さん(47)は震災直後、原発事故で人がいなくなった街を仲間と捜索。長男倖太郎ちゃん(当時3)の遺体は今も見つかっていない。「親の最大の務めは子どもを守ることなのに、できなかった。抱きしめて謝りたい、それが全てだった」と語った。

第1原発が立地する福島県大熊町の木村紀夫さん(55=同県いわき市に避難)は、次女汐凪さん(当時7)が行方不明に。避難区域となった自宅周辺で自主捜索を続け、2016年12月に遺骨の一部が見つかったが、「津波でなのか、(原発事故による捜索遅れで)置き去りにされて亡くなったのか分からず、東電への怒りが改めて湧いた」と話した。

「私はどうあがいても部外者。命を捜す父親らの話を直接聞いてほしかった」と岩波さん。会場のギャラリーでは、捜索の様子や見つかった衣類などを収めた写真も展示された。(共同)