トランプ米大統領は12日、11月の大統領選に向け、新型コロナウイルス感染後、初となる集会を南部フロリダ州サンフォードで開いた。苦戦が伝えられる中、マスクを外し登場すると「力がみなぎっている。キスして回りたいぐらいだ」と“トランプ節”で力強くアピールした。集会での感染拡大の危険性も指摘される中、マスクを着用しない熱烈な支持者も多く駆け付け、会場は熱気に包まれた。

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南部フロリダ州は11月の大統領選で激戦州の1つ。どうしても落とせない州だ。空港敷地内の屋外の会場にマスクを外して登場したトランプ氏は数千人の支持者に向け、再選勝利し「米国をこれまでになく偉大にする」と支持を訴えた。遊説再開で健在ぶりを強調、リードを許している民主党の対立候補バイデン前副大統領に必死の追い上げを図る。

トランプ氏は約1時間にわたる演説で、新型コロナウイルスについて「私には免疫ができたと言われている」と主張。聴衆に向け「力がみなぎっている。皆のところに行ってキスをして回りたいくらいだ」とし、政権がワクチン開発を急いでいると誇示した。演説終了後には大音量でヒット曲「YMCA」が流れ、トランプ氏が音楽に合わせて踊るようなしぐさも見せ、回復ぶりをアピールした。

専属医は、トランプ氏の新型コロナウイルスの検査結果が数日連続で陰性だったことを発表し、他人に感染させる恐れはないとの見解を示した。トランプ氏を陰性と判定した検査は、抗原検査と呼ばれる方法で、PCR検査よりも精度が劣ると指摘されている。専属医はこの判定だけでトランプ氏の隔離を解除したわけではなく、他のデータも考慮したと念を押した。

一方で、フロリダ州は感染者が73万人、死者は1万5000人を超えている。いまだに1日1000人以上の新規感染者が出ており、今回の集会についても米メディアは、感染拡大につながる危険性を指摘している。この日も多くの人がマスクを着けず、「感染は誰でも起きる」とトランプ氏の感染も意に介さない熱心な支持者らが歓声を上げながら演説に聞き入った。

感染の拡大源となる恐れが拭えないまま、トランプ氏は今後、15日まで4日連続で東部ペンシルベニア州など激戦州を回って集会を開き、形勢逆転を狙う。