和歌山県田辺市の市民団体は14日、同市役所の移転を巡り、移転先の土地の元所有者で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた同市の元会社社長野崎幸助氏(2018年5月に77歳で死亡)の口座に、市から経緯不明の4000万円が振り込まれたとみられる資料を入手したとして、市に説明を求める申し入れ書を提出、記者会見を開いた。

会見で、野崎氏の取引記録の写しが報道陣に公開された。16年7月6日に振込人名「タナベシ」と4000万円の振り込みが記録されていた。

だが、振り込み直前の同年6月にその土地の登記が野崎氏から商業施設の運営企業に変更されていた上、市はこの運営企業側から土地を買収していた。市民団体は「何のための支払いか説明することは当然の義務だ」と主張、この経緯などが分かる公文書名を今月23日までに文書回答するように市に申し入れた。

市によると、現庁舎は1970年建築で老朽化や耐震不足が課題。洪水や南海トラフ巨大地震で想定される津波対策のため、高台へ移転・新築する方針が16年9月に決まった。総事業費は約128億円を見込む。今年1月に予定地の整備が始まり、24年春の開庁を目指している。

市民団体は「市役所の東山移転の賛否を問う住民投票市民の会」。移転の事業費が高額などとして、賛否を問う住民投票の条例制定を求めて署名活動をしている。(共同)