米グーグルやフェイスブックが、自社のサイトやスマートフォンアプリに表示した新聞記事などに対価を支払う動きが本格化してきた。グーグルは今月に入り、ドイツやブラジルなどの一部報道機関と提携しコンテンツ使用料を払うと表明。3年で計10億ドル(約1000億円)を投じる。日本での対応は未定という。

若者を中心にニュースをネットで読む習慣が広がり、新聞や雑誌の経営が悪化する一方、両社はニュースの検索キーワードなどに応じたデジタル広告で収益を上げてきた。記事の対価負担に真剣に取り組む姿勢を訴えることで、各国で広がる支払い義務の法制化の動きに先手を打つ狙いがあるようだ。

こうした中、欧州連合(EU)では昨年4月、グーグルなどがニュースの詳細を掲載した際、「適切な使用料」を提供者に払うことを定めた改正著作権法が成立。各加盟国で国内法改正が進む。

オーストラリアも今年4月、グーグルやフェイスブックに記事使用料支払いを義務付け、従わない場合は巨額の罰金を科す方針を打ち出した。

これにはフェイスブックが反発。もし法制化すれば、ニュースの概要を表示する機能を廃止し、リンクから報道機関のサイトに誘導できなくすると警告した。

一方で、フェイスブックは自主的に記事使用料を支払う取り組みを一部の国で始めた。昨年10月に米国で新たなニュース配信サービスを開始し、報道機関に使用料を支払っている。英国、インド、ブラジルなどにも広げる考えだ。

こうした取り組みに冷ややかな見方もある。欧州の新聞や出版社でつくる団体は、記事使用料支払いの動きについて「(巨大ITと報道機関が)対等に交渉するための法制化を妨害しかねない」と懸念を示す。(共同)