原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で、第1段階の文献調査への手続きを進める北海道神恵内村と寿都町に、誹謗(ひぼう)中傷や長時間に及ぶ抗議の電話が相次いでいる。地元では賛否を巡って意見が交わされているが、反対派からも「落ち着いて議論をするのが大切」との声が上がる。

「地獄に落ちて死ね」「寿都町長と地獄で会え」。10月上旬、神恵内村の高橋昌幸村長は記者会見で中傷が寄せられていると明らかにした。村役場によると、調査受け入れの動きが9月に表面化して以降「北海道の恥」「北海道から消えてしまえ」などと書かれたはがきやメール、ファクスが多数寄せられた。職員は「もらってうれしいものではない」と苦笑する。

寿都町役場にも片岡春雄町長が8月に調査応募検討を明らかにしてから「町長を出せ」「(賛成、反対で)あなたはどうなんだ?」などと問いただす電話があったという。脅迫など悪質なものはないが、1時間以上電話で対応することもあり、職員からは「仕事にならない」との声も上がる。

片岡町長が応募を正式表明した当日の10月8日未明、自宅で不審火も発生。町長が直後に気付いて消し止めた。現住建造物等放火未遂の疑いで町内の男が逮捕され、捜査関係者によると、男は「表明を邪魔したかった」と話しているという。

地元では賛否に絡んで住民が分断されることへの懸念も広がっており、ある神恵内村議は「度を過ぎた批判より、理路整然と話し合う方がいい」と訴えている。(共同)