昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)の罪に問われた参院議員河井案里被告(47)は17日、東京地裁(高橋康明裁判長)の被告人質問で、夫で元法相の衆院議員克行被告(57)から、地元議員らに供与した現金の趣旨について「『あんたは知らない方がいい』と言われた」と述べた。涙声で「間違ったお金ではないかと思った」とも話した。

夫の買収疑惑が報じられ、真相を問いただした際の発言とし「私の選挙だから知る義務がある」と訴えたが、「それでも知らない方がいい」と拒まれたという。弁護側の質問に答えた。案里議員は元法相との共謀を否定している。

案里議員自身が供与した現金の原資は「たんす預金」と明らかにした。原資に関して言及したのは初めて。元法相に多額の出費がある際、出せるようためていたとして「多いときには200万円あった」と説明した。

一方、広島県江田島市の胡子雅信市議(50)に秘書を通じて10万円を供与したとする起訴内容には「全く寝耳に水」と主張。県議会の重鎮とされる奥原信也県議(78)には「県議選の当選祝いとして50万円を差し上げた」と述べ、買収の意図を改めて否定した。

検察側から、元法相が陣営で果たした役割などを尋ねられると「分からない」「記憶にない」と繰り返した。

被告人質問は13日に続き2回目。案里議員は13日に「票をお金で買う発想はない」と説明した。起訴状によると、元法相と共謀し、地元議員5人に170万円を供与したとしている。

元法相は5人を含む計100人に現金を供与したとして公選法違反罪で公判中。案里議員とは別に審理されている。(共同)