米誌ニューヨーカーは17日までに、2017年の金正男(キムジョンナム)氏殺害事件後、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)体制打倒を訴える団体が息子のハンソル氏らを保護した際、米中央情報局(CIA)職員を名乗る男性2人が身柄を引き取っていったとする団体リーダーの証言を報じた。ハンソル氏の現在の所在地は不明としている。

団体「自由朝鮮」のリーダー、アドリアン・ホン・チャン氏が、韓国系米国人作家スキ・キム氏とのインタビューで明かし、同誌が寄稿文を掲載した。

同誌によると、リーダーは13年にハンソル氏とパリで初めて面会。事件直後にハンソル氏から、当時住んでいたマカオから母と妹と一緒に脱出させてほしいとの要請があった。

団体の男性メンバーが、台湾の空港で黒のTシャツと野球帽を目印に着用し、ハンソル氏らと接触した。

オランダの首都アムステルダム郊外のスキポール空港に向かおうとしたが、搭乗ゲートで旅券を確認した職員に「(来るのが)遅すぎた」などと搭乗を拒まれ、ラウンジに引き返すとCIA職員を名乗る男性2人が来てハンソル氏と話をさせるよう求めたという。

2人のうち韓国系米国人の男性が、飛行機に同乗してハンソル氏ら一家をスキポール空港まで連れて行くと説明。団体メンバーは翌日、空港で一行を見送った。

ただハンソル氏らはスキポール空港到着後、通常とは別の通路を使って現地のホテルに入り、行方がつかめなくなった。ハンソル氏は団体に、オランダへ亡命する意向を示していたといい、CIAがハンソル氏を連れ去った可能性がある。

正男氏は17年2月、マレーシアの空港で顔などに猛毒の神経剤VXを塗られて殺害された。(共同)