「日本のいちばん長い日」などの著作で知られ、日本近現代史の「歴史探偵」を自任した作家の半藤一利(はんどう・かずとし)さんが12日、老衰のため東京都世田谷区の自宅で死去した。90歳。東京都出身。近く家族葬を行う予定。

作家の半藤一利さんが90歳で亡くなり、親交のあった作家や歴史学者らから13日、驚きと悼む声が上がった。「文芸春秋の編集者は明るくおしゃべりな人が多いですが、半藤さんはその代表的な一人。いつも元気でずっと死なないんじゃないかと思っていた。信じられない」と語るのは作家の関川夏央さん(71)。

「軍事関係も含めた歴史的な知識がありつつ、難しいことを易しく書く名人。自由主義的なトーンに貫かれた健全な知識的常識人でした」と振り返る。

国際日本文化研究センター准教授の磯田道史さん(50)は「歴史や文学はもちろん絵もたしなむ『文人』であり『快男児』だった」。「近現代史への関心の原点にあるのは、東京大空襲の体験などから『戦争はいかん』という思いに加えて好奇心だった」としのんだ。

「日本のいちばん長い日」や「昭和史」などの著作を通じて、司馬遼太郎さんに続き、昭和から平成期の日本人の近現代史に関する歴史観をつくったと評価した。(共同)