菅義偉首相は13日、新型コロナウイルス感染が急拡大する大阪、京都、兵庫の3府県に加えて愛知、岐阜、福岡、栃木を追加した4県にも特別措置法に基づいた緊急事態宣言を再発令することを発表した。緊急事態宣言の再発令で地域は11都府県に拡大され、期間は8日に再発令された1都3県と同じ、来月7日までとした。

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菅氏は記者会見で、再発令が11都府県に拡大することについて「1都3県に続き、他の地域でも厳しい状況が続いています。この厳しい状況を好転させるためには欠かせない措置であることをご理解賜りたい」と説明した。だが、またしても急転直下、そして後手後手のイメージはぬぐえない。

1都3県に再発令した7日には「緊急事態宣言と準ずる対応をすることができるようになっている。状況を見ながら対応をしたい」と、関西圏を対象とした緊急事態宣言の再発令には否定的だった。だが、9日に大阪府など2府1県の知事から要請を受けるや12日には一転、方針を転換した。

昨年12月31日の時点では否定的だったが、3日に小池百合子都知事ら1都3県の知事要請を丸のみする格好で再発令を決めている。政府主導の緊急事態宣言のはずが、自治体主導の様相となっている。今後も感染拡大が続けば、緊急事態宣言が全国に拡大していく可能性は高い。

菅氏は対策本部会議で「これまで1年近くの経験に基づいて効果のあるものは全て対象とし、徹底的にやる」と宣言した。宣言により、不要不急の外出自粛要請に法的根拠が生じる。

対象地域の知事は医薬品、食品などの収用や、医療施設開設のための土地や建物の強制使用が可能となる。対象地域では、飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請。酒類提供は午前11時から午後7時までとする。時短要請に応じた場合に支払う協力金の上限は、1日当たり現行の4万円から6万円に引き上げる。不要不急の外出自粛を求め、テレワークなどにより出勤者の7割削減を事業者に働き掛ける。一方で、再発令では昨年4月に発令された緊急事態宣言で要請された飲食店の営業、イベント開催の自粛や、学校の一斉休校などの措置はない。

菅氏の決意とは裏腹に感染拡大を防ぐ策は、不十分との印象は払拭(ふっしょく)できない。