米下院本会議は13日、トランプ大統領が支持者をあおって連邦議会議事堂を襲撃させたとして「反乱扇動」の責任を問い、罷免を求める弾劾訴追決議案を賛成多数で可決した。

2019年にウクライナ疑惑で弾劾訴追されており、米史上初めて2回弾劾訴追された大統領になった。

決議は上院に送付され、本会議で弾劾裁判が開かれる。開始はバイデン次期政権が発足する今月20日以降になる見込み。有罪・罷免には出席議員の3分の2の賛成が必要だが、民主、共和両党の勢力は拮抗(きっこう)する。

有罪評決となれば、トランプ氏が今後公職に就く資格を剥奪し、次期大統領選への出馬を封じる採決に進むことも可能とされる。

トランプ氏は13日、公開した動画で議会襲撃に関し「暴力を明確に非難する」と述べたが、弾劾訴追には触れなかった。

決議案を提出した民主党からは全議員、共和党からも下院ナンバー3のチェイニー議員ら10人が賛成に回り、232対197だった。

ペロシ下院議長は討論でトランプ氏に関し「差し迫る明白な危険」と断じた。

決議は議会でバイデン氏の当選認定手続きが行われた6日、トランプ氏が直前の集会で支持者に「死ぬ気で戦わなければ国を失う」と無法行為を意図的に助長したと指摘。「米政府への反乱を扇動し、重罪と不品行を働いた」と非難した。

採決前、米メディアでは共和党の造反が20人に上るとの見方も出ていたが、下回った。来年11月に改選を控える下院議員の多くはトランプ氏支持層を失うのを恐れたとみられる。バイデン次期大統領が目指す融和の難しさを示し、新政権の船出に影を落とした。

弾劾裁判はバイデン次期政権の発足時期に重なる。上院が裁判に時間を割き、閣僚や高官人事の承認、政策遂行に遅れが生じて政権運営の重荷になる恐れがある。バイデン氏は13日の声明で、過度に裁判に注力しないようくぎを刺した。

これまで弾劾訴追された米大統領は1868年のジョンソン氏(17代)と1998年のクリントン氏(42代)、トランプ氏の3人。ジョンソン、クリントン両氏は無罪評決を受け、トランプ氏もウクライナ疑惑では無罪評決だった。(共同)