ロシアの反体制派ナワリヌイ氏の裁判で、モスクワの上級裁判所は20日、同氏の実刑を維持する判断を示した。過去の経済事件に関する実刑判決を巡り、同氏の不服申し立てを審理していた。欧州人権裁判所が求めていた同氏の即時釈放を事実上拒否したことになり、ロシアと欧州連合(EU)の関係は一層悪化しそうだ。

欧州人権裁の要求に対し、プーチン政権は「内政干渉だ」と反発。一方、ロシアに対する追加制裁をちらつかせるEUとの関係悪化を回避したい意向も示していた。

ナワリヌイ氏の弁護士は、現在拘置所にいる同氏が、即日刑務所に収監される可能性があると述べ、上告する方針を明らかにした。

昨夏に毒殺未遂に遭ったナワリヌイ氏は1月の帰国直後、当局に逮捕された。モスクワの裁判所は今月2日、同氏が過去に有罪判決を受けた後、執行猶予中の手続きを怠ったとして懲役2年8月の実刑を適用した。20日の判断では、自宅軟禁されていた1カ月半程度を、実刑の期間から差し引くとした。

ナワリヌイ氏陣営は逮捕直後に、プーチン大統領が豪華な「宮殿」を所有していると暴露する動画を公開。全土で同氏の釈放を求める抗議デモを動員したが、当局は陣営幹部やデモ参加者を徹底的に拘束、抗議行動は中断に追い込まれた。

20日には、ナワリヌイ氏が第2次世界大戦参加者の「名誉を毀損(きそん)した」とする事件もモスクワの裁判所で審理され、85万ルーブル(約120万円)の罰金刑が言い渡された。昨年実施された憲法改正を支持するテレビCMに出演した男性を、ナワリヌイ氏が侮辱したとして告訴された。(共同)