愛知県・大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造問題で、愛知県警は24日、地方自治法違反の疑いで、運動事務局から県内の各市区町村の選挙管理委員会に提出された署名簿の押収を始めた。

偽の署名が書かれた署名簿は現在も各自治体が管理。名古屋市中川区役所では、約1万8000人分の署名簿を押収した。今後、他の市区町村からも順次入手する。

リコール運動は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の展示作品などを問題視した美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが、実行委員会会長を務めた大村氏の責任を問うとして行い、名古屋市の河村たかし市長も支援した。昨年11月に約43万5000人分の署名を提出したが、愛知県選挙管理委員会によると、8割超の約36万2000人分が無効と判断され、うち約90%は複数の人物が何人分も書いたとみられる筆跡だった。選挙人名簿に登録されていない署名、既に亡くなっている人約8000人分の署名も含まれていたという。県選管は今月15日、県警に刑事告発していた。

署名を巡っては、名古屋市の広告関連会社が運動事務局の指示でアルバイトを募集し、佐賀県内の貸会議室で名簿を基に署名簿に他人の住所や氏名を書かせたとの疑惑が浮上。関係者によると、数百万円で請け負ったことを示す発注書が残っている。県警は既に広告関連会社の社長から任意で事情を聴いている。

高須氏、運動事務局の田中孝博事務局長、河村氏は、不正への関与を否定。田中氏は当初、署名簿の一部が九州で作られたとの情報を得ていると説明していたが、22日の会見では「佐賀で署名が作られたことは確認していない」と修正した。