政府は26日、緊急事態宣言に関し大阪、兵庫、京都、岐阜、愛知、福岡の6府県について28日で解除することを決めた。しかし菅義偉首相は正式な記者会見を見送り、報道陣の「ぶら下がり取材」に応じるにとどめた。首相会見では、首相の長男らから高額接待を受けた山田真貴子内閣広報官が司会を務める。菅氏は会見を開かないことと山田氏との関連を否定したが、野党からは「山田広報官隠し」との批判も出ている。首都圏の1都3県については、3月7日での解除を目指し対策を続ける。

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緊急事態宣言の一部解除決定という節目のタイミング。官邸記者クラブ幹事社は記者会見開催を申し入れたが、官邸は応じなかった。菅首相はこれまで宣言の再発令や延長などの節目には毎回会見を開いてきたが、この日は山田広報官が同席・司会する正式な記者会見を見送り、報道陣の求めで官邸エントランスでぶら下がり取材に応じて代替した。約18分間に約30の質問に答えたものの、徐々にいらだち、「先ほどから同じような質問ばかりだ」など語気を強めた。

菅氏は山田氏と会見との関係について「全く関係ない」と否定。会見を行わない理由については、首都圏1都3県で宣言が継続しているとし「最後まで状況を見極めて判断し、日本全体の見通しを申し上げる状況の中で会見を行うべき」と説明した。“前例”として「昨年関西圏で解除したときは行っていない。このようにぶら下がりで対応している」とも発言した。

加藤勝信官房長官も「前回の宣言の解除のプロセスにおいても同様の対応だった」と説明した。安倍前首相の場合、最初の緊急事態宣言を39県で先行解除することを決めた昨年5月14日には会見していた。3府県の解除を決めた5月21日は会見を行わず、報道陣のぶら下がり取材に応じただけだった。菅氏らはその一方だけを例に挙げたことになる。5月21日については、当時の黒川弘務東京高検検事長が賭けマージャン問題で辞表を提出した日でもあり、質問を避けたのではとの見方も出ていた。

今回の会見見送りについて、立憲民主党の枝野幸男代表は「信じられない。責任放棄だ」と非難。山田氏について「既に職務を果たし得ない状況になっているのは明白だ」とも指摘した。辻元清美副代表も「普通は会見するタイミング。山田氏を隠そうとしているのではないか」。同党の小川淳也氏も山田氏の続投に触れて「誤った判断が会見の差し障りになっている。本末転倒だ」と批判した。野党側は山田氏の辞任を求めている。菅氏や山田氏の今後の言動が注目される。