米国の情報機関を統括する国家情報長官室は26日、サウジアラビア人記者カショギ氏が2018年に殺害された事件は、サウジのムハンマド皇太子が「カショギ氏を捕らえるか、殺害する作戦を承認した」とする報告書を公表した。米財務省は26日、殺害に関与したとして、皇太子側近のアハメド・アシリ元情報機関高官と、皇太子の警護隊を制裁対象に追加したと発表した。

「現場の暴走」として幕引きを図ったサウジ側に異を唱えた形で、米サウジ関係の冷却化は確実な情勢だ。サウジ外務省は26日、国営通信を通じて報告書は「間違いであり、完全に拒絶する」と反発する声明を出した。

サウジの実権を握るムハンマド皇太子への国際社会の圧力が再び強まることも予想される。

またブリンケン米国務長官も、カショギ氏殺害や反体制派の脅迫に関与したとみられるサウジ人76人に対し、米入国の査証(ビザ)発給を制限すると発表。記者会見では「サウジとの関係は重要だ」とも述べ、安全保障を含む両国間の協力は継続する考えを示した。米メディアによると、皇太子は制裁対象に含まれなかった。

報告書は、ムハンマド皇太子がカショギ氏を王国に対する「脅威」と見なし、カショギ氏を沈黙させるのに必要なら暴力的手段を使うことも支持したとの評価を示した。

また皇太子はサウジの政策決定を支配しており「治安、情報機関を完全に掌握する皇太子の許可なく、このような作戦を当局者が実行する可能性は極めて低い」と指摘した。

米国在住でサウジ王室に批判的だったカショギ氏は18年10月、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で当局者らに殺害された。

報告書によると、トルコ入りした実行部隊15人のうち7人が皇太子直属の警護隊のメンバー。「任務を達成できなければ、解雇か逮捕されるかもしれないと恐れる雰囲気」を皇太子が醸成していたようだと分析した。(共同)