トランプ前米大統領は2月28日、大統領退任後初めて公の場で演説し、2024年の次期大統領選に再出馬する可能性に言及した。新党結成は明確に否定し、共和党で政治活動を続けると表明。議会襲撃を受け、共和党内では脱トランプを訴える声が出ており、観測気球を揚げて反応を見極めたい考えとみられる。

演説したのは南部フロリダ州オーランドで開かれた「保守政治行動会議(CPAC)」の年次総会。昨年11月の大統領選に関し「彼ら(民主党)は負けた」と語り、不正があったとする虚偽の主張を繰り返した上で「私は3回にわたり彼らを倒すことを決断するかもしれない」と述べた。

「米国第一」主義や反エスタブリッシュメント(既存の支配層)運動を念頭に「われわれが4年前に始めたことは全く終わっていない」と強調した。看板政策だった厳格な移民対策を緩和したバイデン政権も批判した。

同時に、2回目の弾劾手続きで賛成票を投じた反トランプ派の共和党議員の名前を挙げて攻撃。「次の選挙で一掃しよう」と呼び掛け、予備選で対立候補をぶつけて落とし、親トランプ議員を増やして党内基盤を回復したい思惑をのぞかせた。

一時「トランプ党」と化した共和党は方向性を巡って分断と内紛が激化。CPACが参加者に調査したところ、トランプ氏の再出馬を望むのは68%にとどまり、圧倒的支持を誇ったかつての勢いに陰りが見えた。復権には党内の幅広い支持獲得が最初の課題となる。

トランプ氏は演説で、大統領選について「負けはあり得ない」などと繰り返し、新型コロナウイルス感染を防ぐために拡大された郵便投票の廃止を訴えた。新型コロナを巡っては再び「中国ウイルス」と呼んだ。(共同)