保釈中だった元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(66)の逃亡劇の一端は、米司法当局の資料や東京地検の発表などで明らかになっている。ピーター・テイラー容疑者(28)が事前に何度も来日してゴーン被告と協議し、逃亡当日に合流したピーター容疑者の父マイケル・テイラー容疑者(60)らが、大きな箱にゴーン被告を入れて一緒に出国した。

地検によると、ピーター容疑者とゴーン被告は2019年7~11月に4回、同12月には逃亡前日の28日を含めて2回面会していた。東京都千代田区にあるゴーン被告の当時の弁護人の事務所が使われたこともあった。

米司法当局が東部マサチューセッツ州の連邦地裁に提出した文書によると、逃亡した19年12月29日の様子はこうだ。

午前10時10分、米陸軍特殊部隊グリーンベレーの元隊員テイラー容疑者と、レバノン生まれのジョージ・ザイエク容疑者(61=東京地検特捜部が逮捕状)がプライベートジェットで関西空港に到着した。音響装置用の大きな箱2つを持参し、関空職員に「音楽家」と名乗った2人は、新幹線で東京に向かった。

午後2時半ごろに住居を出たゴーン被告は、ピーター容疑者から受け取ったとみられる鍵で、東京・六本木のホテルの部屋に入室。午後3時24分にゴーン被告と手助け役の3人はこの部屋で合流し、一緒に4人でホテルを出た。

成田空港から出国したピーター容疑者を除く3人は、品川駅から新幹線で新大阪駅へ。タクシーを使い、午後8時14分に関空近くのホテルに入った。マイケル、ザイエク両容疑者は午後9時57分、大きな箱2つと共に部屋を後にした。

ゴーン被告は箱の1つに身を隠していたとされ、荷物は関空でエックス線検査を受けないまま機内へ持ち込まれた。機体は午後11時10分に離陸。ゴーン被告はトルコ・イスタンブールで別のジェット機に乗り換え、レバノンに入った。(共同)