元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(66=入管難民法違反容疑で逮捕状)のレバノン逃亡を手助けしたとして、東京地検特捜部は2日、犯人隠避の疑いで、身柄の引き渡しを受けた米国籍の親子2人を逮捕した。両容疑者は同日午後、米東部ボストンから成田空港に到着し、東京拘置所に収容された。

2人は米陸軍特殊部隊グリーンベレーの元隊員マイケル・テイラー容疑者(60)と息子のピーター容疑者(28)。特捜部が昨年1月に逮捕状を取り、米当局が同5月に拘束した。逮捕に向け、今年2月27日に地検が検事らを派遣していた。

航空機は1日正午すぎ(日本時間2日未明)にボストン国際空港を離陸した。搭乗ゲート付近では複数の警察官が警戒し、駐機場にも警察車両が展開。成田空港でも移動する2人をシートで覆うなど厳戒態勢だった。

テイラー容疑者の弁護側は、日本への引き渡しにより「不当な取り扱いを受ける恐れがある」と主張していたが、東京地検の山元裕史次席検事は記者会見で「拘置所において適切に対応されると思う」と話した。

逮捕容疑は2019年12月29日、ゴーン被告が保釈条件で海外渡航が禁止されていると知りながら、東京都港区の住居から六本木のホテルへ移動させた後、大阪府内のホテルに案内。被告を大型の箱の中に隠して関西空港に行き、保安検査場を通過させてプライベートジェット機に搭乗させるなどした疑い。その後、ゴーン被告はトルコ経由でレバノンに入った。

米検察当局はゴーン被告側からテイラー容疑者側に計130万ドル(約1億3800万円)以上が渡ったと指摘している。

米東部マサチューセッツ州の連邦地裁が昨年9月、日本への身柄引き渡しは可能だと判断し、米国務省が10月に承認した。弁護側が移送の差し止めを求めたが、地裁は今年1月、申し立てを棄却し、ボストン連邦高裁、最高裁も支持した。

日本政府は国際刑事警察機構(ICPO)を通じてゴーン被告の身柄拘束を要請しているが、レバノン側は否定的な姿勢を示している。特捜部は2人と共に逃亡を手助けしたとしてレバノン生まれで米国籍のジョージ・ザイエク容疑者(61)の逮捕状も取得している。(共同)