空前のスニーカーブームを背景に、希少価値が高い数量限定のモデルを高額転売するビジネスが過熱している。米スポーツ用品大手ナイキの北米地区副社長は、息子が転売で荒稼ぎしていると報じられ、辞任する事態となった。

辞任したのはアン・ヘバート氏。25年以上のキャリアを持つ女性幹部で、昨年4月に副社長に昇格したばかりだが、今月1日に理由も示されないまま辞任が発表された。

背景には米ブルームバーグ・ビジネスウイーク誌の記事があるとみられる。ヘバート氏の19歳の息子が仲間と組んで、特殊なコンピュータープログラムを駆使して限定品のスニーカーを買い占め、高値で転売していると報じた。13万2000ドル(約1400万円)を投じて数百足の転売を手掛け、2万ドルの利益を得た場面も描かれた。

ヘバート氏の息子は同誌に、母親からナイキの内部情報を得たことはないものの、ビジネスのヒントをもらったことは認めた。スニーカーの購入にはヘバート氏名義のビジネス向けクレジットカードを使っていた。

スニーカー市場はストリートファッションの普及とともに拡大。米プロバスケットボールNBAの元スーパースター、マイケル・ジョーダン氏が着用した「エアジョーダン」シリーズなど、代表的なブランドは新作が出るとすぐに完売してしまう。著名ラッパーのカニエ・ウエスト氏がドイツのアディダスと開発した「イージー」シリーズもヒットしている。

スニーカーの転売サイト「ストックX」では数万ドルで取引されるモデルもある。新型コロナウイルス対策の現金給付もあり、投機的な売買も増えているとされる。(共同)