菅義偉首相は3日の参院予算委員会で、総務省幹部を違法に接待した長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」について、正剛氏の就職当時から総務省の利害関係者と認識していたと認めた。「放送に関与することは知っていた」と述べた。新型コロナウイルス感染症対策などを盛り込んだ2021年度予算案は参院予算委で実質審議入りした。

東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)のID不正使用を巡り、原子力規制委員会の更田豊志委員長は再稼働の前提となる保安規定の審査のやり直しを否定しなかった。

立憲民主党の森裕子氏は、東北新社側に放送事業の許認可を出した際の決裁文書に、接待の同席者の名前が明記されていると追及。決裁した吉田真人総務審議官に「利害関係者との認識がなかったというのは本当か」と迫ったが、吉田氏は「会食時点で利害関係者に当たると認識していなかった」と釈明した。

違法接待で懲戒処分を受けた谷脇康彦総務審議官は、東北新社のほか、総務省が許認可権を持つ通信事業者とも会食したと明かし「倫理に違反する会食をしたことはない」と主張した。これに関し「文春オンライン」は3日、谷脇氏らがNTT幹部から高額接待を受けていたと報じた。

野上浩太郎農相は、鶏卵業者による違法接待問題の追加調査を検討中だと説明。野党の要求を踏まえ、対象の職員や期間を広げる意向を示した。

田村憲久厚生労働相は、新型コロナワクチンを接種した60代女性がその後死亡した事例を踏まえ「副反応の疑いのある事例を収集し、因果関係を調べる」とした。首相は、東日本大震災と東電福島第1原発事故からの復興に決意を語る一方、脱原発には重ねて否定的見解を表明した。

参院予算委は、首相と全閣僚が出席して基本的質疑を実施した。(共同)